Upworkを利用してみた<体験談その2>
Virtual Assistantのおススメ度は?
前回に引き続き、Upworkを利用した体験談ご紹介する前に、Virtual Assistantのおススメ度についての持論を紹介します。(注:ここでいうVirtual Assistantとは、English-speaking Virtual Assistantに限定しています。)
みなさんの中には「Virtual Assistantという分野で稼げるの?」という疑問があるかと思います。
自分の体験から達した結論は、「お小遣い稼ぎにはなるけど、正直なところ割に合わない」です。ましてやこの分野でUpworkのみの収入で生活費を得ることはかなり難しいのではないかと思います。(実際にUpworkでフルタイムに移行しようという気にはなれなかったので推定ですが。)
「割に合わない」と感じた主な理由はこれです。
- そもそも英語を使う派遣と比べて時給が低い案件がほとんど。
- 案件にたいして予算の上限を設定していても、実際には上限を超える時間を要する場合が多い。
- Upwork側が報酬から20%もの手数料を差し引くため、手元に残る報酬額が少ない。
- ほとんどの案件が短期なので収入が安定しない。
Upworkを使うメリット
ネガティブなことばかり並べてしまいましたが、それでも一度経験する価値はあると思います。なぜかというと、
- 場所を選ばず、すきま時間を使って仕事ができる。
- 求められる仕事内容が、ニッチな需要だったりするので、そのような分野に特化して自分を売り込むことも将来可能になる。
- クライアントとの相性が良ければ、もっと良い条件の提示も見込める。
- 自然にリサーチ力がつく。
- Upwork内で案件をリサーチすると、市場でどんなスキルが要求されているのかがリアルタイムで理解できる。
自己アピール例
そこで、初めて登録する方にお勧めするのが「プロフィール欄を充実させる」ということです。自分が対応可能なことをできるだけ詳細にリスト化するとよいと思います。
参照までに下記の例をご覧ください。
- 日本での旅程をご希望に応じて作成します。
- 日常生活の様々な手配(粗大ごみ、銀行口座開設のアシスト、レストラン、歯医者、クリニックなどの予約、日本語での郵便物の説明等)に丁寧に対応します。
- ネットでのリサーチ業務が得意です。
- 日本語でのビジネスレター、名刺手配、出張手配に迅速に対応します。
- 必要に応じて対面での業務も対応します。
これらのリストの多くは実際にリクエストがあったものなので、プロフィール欄に加えることで、「この人はこちらのやって欲しいことを良く分かってくれているな」という印象を持ってもらえるはずです。
もちろん、これはほんの一例なので、実際にはご自身の得意分野をリスト化するとよいです。
では、体験談の続きです。
今回は実例その2~4までをご紹介します。ちなみに通貨はクライアントの国籍にかかわらずアメリカドルです。
実例その2
ポジション:東京滞在中の旅程作り
仕事内容:出張で来日するオーストラリア人のために、東京での2日間の自由時間の行程を希望に応じて手配・予約する
時給:$12.50
所要時間:8時間まで
こちらのクライアントは、出張で来日する予定があり、その来日期間中、東京で2日間のフリータイムがあるため、この時間を有効に使いたいということで、観光用の日程作りを依頼されました。いわゆるインバウンド業務と同じです。
どんなことに興味があるのか、食べ物の希望などを聞いて、本人が無理なく楽しめる日程を組みました。
実はこの依頼が来た時は、たまたまインバウンドの専門会社で外国からの旅行者の旅程を組む仕事をしていたため、外国人が好む場所、エンタメ、レストラン等の知識がすでにあり、まるで普段の仕事の延長のような感覚で進めることができました。
そのため、短い東京での滞在が充実して友人にも自慢できてよかった、と喜んでもらえました。
所要時間は8時間までとの合意で受諾しましたが、実際リサーチや日程作りに費やした時間は大幅に8時間を超えてしまいました。
実例その3
このクライアントは、ギリシャ在住のギリシャ人作家で、今までに英語で発表されたエッセイを、プロの翻訳家に和訳してもらった上で、日本の有名メディアに掲載してもらいたい、という依頼内容でした。
これもVAの範囲内なのか、と一瞬迷いましたが引き受けました。
やったことは、1)ランサーズで翻訳家を募集して選定し、エッセイの日本語訳を完成させる。こちらの翻訳費用はクライアント持ち。2)日本の大手メディアを選定し、メールでクライアントの略歴等を説明し、エッセイの和訳の掲載をお願いする、という2つの作業でした。
報酬金額についてですが、翻訳家の選定をする際に試訳を提出してもらったところ、30名ほど応募があり、それぞれの試訳を評価するのに相当な時間を費やしてしまいました。そのため、報酬金額の$250を時給に換算した場合、とても受け入れられないような安い値になってしまいましたが、結果論なので仕方がありませんでした。一方、メディア担当者とのやり取りは、あっけないほど早くOKがでたため、それほど時間を要することなく任務は完了しました。
実例その4
ポジション:Personal Assistant
仕事内容:個人的な用事のアシスト
時給:$12.50 (週に2時間まで)
東京都内在住のアメリカ人からの依頼でした。主な仕事は日本でクレジットカードを作る際のリサーチや、銀行口座を開設するための準備を手伝うことでした。こちらは、オンラインではなく、都内のカフェで一緒にPCのスクリーンを見ながら銀行口座の開設作業を進めるといった働き方でした。
このようにVirtual Assistantと言っても、クライアントの国籍はもとより、要求内容は多岐に渡っています。
また、今回ご紹介した例は、自分から応募したものではなく、クライアントからInvitation という方法で通知をもらい、最終契約を結んだものばかりです。
こうすればよかった
すでにお気づきかと思いますが、依頼案件に設定された時間と、実際に要した時間との間には毎回大きなギャップがありました。
そのような場面では、途中でクライアントに相談をして、条件を変更してもらうべきだったのですが、かけだしの頃は躊躇してしまいました。その結果「割の合わない」感を持ってしまったのかもしれません。
これから利用される方は、報酬額や、時間枠に交渉の余地を残しておくことを強くおススメします。