旅と仕事と生き方についてのブログ

Following the path of least resistance

セントマーチン島で活躍する画家 Roland Richardsonのアートギャラリー

セントマーチン島の必見スポット

セントマーチン島で是非とも紹介したいアートギャラリーがあります。

それは、「カリブの印象派の父」とも呼ばれ、この島を代表する画家、ローランド・リチャードソン氏のアートギャラリーです。

下のカードの絵からも分かるように、カリブの日差しを受けた静物が、明るい色彩で生き生きと描かれています。

 

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ギャラリーで作品を購入時にいただいたカードの表紙

 

画家ローランド・リチャードソン(Roland Richardson)とは?

セントマーチン島出身。1700年代からセントマーチン島に移住してきたフレンチカリビアンを先祖に持ち、「”Plein Air" Impressionist」(*1)として、島の風景や人物などを描き続けてきました。

 

 

半世紀以上にも及ぶ創作活動から生まれた作品が物語っているのは、島で暮らす人々の生活風景です。特に今では過去のものとなりつつある伝統的なカリブの民家の絵は、貴重な資料とも言えます。

 

2007年には、画家として島に貢献したことが認められ、オランダのベアトリックス女王よりナイト爵位が授与されました。また、フランス政府からも、彼の業績に対して生涯功績賞(Life-time Achievement Award)が授与されています。

 

リチャードソン氏は、現在でも積極的に絵を描き続けており、アメリカ人を中心に多くのファンを魅了し続けています。

 

詳しくはホームページ(英語)をご覧ください。

 

(*1 日本語の直訳では「アウトドア印象派」、もしくは「屋外の印象派」)

 

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ローランド・リチャードソンが描いてきたもの

カリブ海地域で印象派を代表する画家と言えるでしょう。

先述した通り、彼が一貫してテーマとしてきたのは、”Plein Air”(アウトドア/屋外)。

ギャラリーには、セントマーチン島の風景画が所狭しと並んでいます。

 

下の写真にもあるように、彼の作品にはホウオウボク(flamboyant)の赤い木が必ずといっていいほど登場しています。

ホウオウボクカリブ海、そして人々の生活をありのままに描く彼の作品で重要なテーマは「光」です。 光によって視覚が捕えることのできる色彩のエネルギーが、絵の中で見事に表現されています。

Roland Richardson

ギャラリー内

Roland Richardson

ギャラリー内

ギャラリーの紹介

ギャラリーは、マリゴ(Marigot)のRue de la Republique通りに立ち並ぶ可愛らしい家々の中にあります。

19世紀のクレオール様式の建物が、白と赤を基調に美しく改修されていて、この建物だけでも鑑賞する価値があります。

Roland Richardson

ギャラリーのある通り

 

Roland Richardson

ギャラリー入口

 

ギャラリーに入ると裏には中庭があり、一瞬フランスの田舎に紛れ込んだかのような空間が広がっています。この中庭に出ると、二階に続く階段があり、こちらもギャラリーの一部なので作品の鑑賞ができます。

 

Roland Richardson

中庭と元兵舎

 

中庭をはさんで、ギャラリーの向かい側には、フランス革命以前のフランス兵の兵舎として使用されていた石造りの建物があります。

(こちらはギャラリーの一部ではありません。)

 

2020年3月現在、ギャラリーは火曜日と木曜日のみオープンしており、リチャードソン氏は、2階で制作活動をしています。

 

セントマーチン島でやること”ベスト15”の中で、6位に入っている(Tripadvisor調べ)画家ローランド・リチャードソンのアートギャラリー。

ギャラリーを訪問する人に、自身の作品について気さくに、分かりやすく語るリチャードソン氏の暖かい人柄が人気の秘密のようです。

 

最後に私が購入した作品(エッチング3点)をご紹介します。

リビアンスタイルの木造の家が好きなので選んだのですが、残念ながら、このような伝統的な家は、今ではあまり見られなくなりました。過去2度も襲った大きなハリケーンで崩壊してしまったり、コンクリートの家にシフトしてきているのが原因だと思います。

 

これらの家のエッチングから私が感じ取ったのは「質素だけど幸せだった日々」です。

(かつて20代の数年をこの島で過ごしたために、ノスタルジックな感情が重なったのかもしれません。)

 

エッチング以外にも多くの作品が鑑賞できますので、是非覗いて見てください!